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内職クラブ障害者就労継続支援B型事業所

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B型事業所から一般就労は可能?就労移行支援やA型との違いを解説

2025.09.05

障害のある方やそのご家族からよく寄せられる質問のひとつに、
「B型事業所に通っているけれど、一般就労に進むことはできるのか?」
というものがあります。

B型事業所は「働く場」であると同時に「福祉サービス」でもあり、一般就労とのつながりが分かりにくい部分があります。さらに、「A型事業所」や「就労移行支援」との違いも混同されやすいポイントです。

本記事では、B型から一般就労は可能なのか、そしてA型・就労移行支援との違いを整理して解説します。

就労継続支援B型とは?

まずはB型事業所の基本を押さえておきましょう。

特徴

  • 雇用契約は結ばず、工賃を受け取りながら作業を行う
  • 利用期限がなく、長期的に利用できる
  • 体調や障害の特性により、一般就労や長時間勤務が難しい方も対象
  • 日中活動の場・社会参加の場としての役割も大きい

作業内容の例

  • ラベル貼り、封入作業などの軽作業
  • 食品の製造補助や販売(パン、弁当など)
  • 清掃やクリーニング作業
  • データ入力、検品業務

B型は「福祉的就労」としての意味合いが強く、収入源というよりも「働くリズムを整える」「社会参加する」ことに重きを置いています。

B型事業所から一般就労は可能?

結論から言えば、B型から一般就労に進むことは可能です
ただし、そのルートは決して多くはありません。

B型から就労に進む人の特徴

  • 生活リズムが安定してきた
  • 作業を通じて集中力や責任感が育った
  • 就労への意欲が高まった

こうした方は、B型での経験を基盤として、就労移行支援を利用 → 一般就労へ というステップを踏むケースが多いです。

B型から直接就労する場合

まれに、B型を利用しながら企業が見学に来て「この人なら」と採用に至るケースもあります。しかしこれは例外的で、一般的には「就労移行支援を経由する」方が現実的であり、就職後の定着率も高くなります。

A型事業所との違い(企業目線も含めて)

B型とよく比較されるのが 就労継続支援A型 です。

A型の特徴

  • 雇用契約を結び、最低賃金が保証される
  • 比較的安定して働ける人が対象
  • 利用者はパートやアルバイトに近い形で働く
  • 就労実績は「企業就労」に近い

A型とB型の違い

項目A型B型
雇用契約あり(最低賃金)なし(工賃制)
利用期間基本は制限なし制限なし
対象者比較的安定して就労できる人長時間勤務や安定就労が難しい人
目的一般就労に近い形で働く社会参加・就労体験
収入最低賃金以上平均月1〜2万円程度

企業目線でみると、**A型は「雇用」B型は「業務委託」**に近いイメージです。

就労移行支援との違い

一般就労を目指す上で大きな役割を果たすのが 就労移行支援 です。

就労移行支援の特徴

  • 利用期限は 原則2年間
  • 目的は「一般就労への移行」
  • 職場実習、ビジネスマナー、履歴書作成、面接練習などをサポート
  • 賃金は発生しない(実習が中心)

B型との違い

  • B型は「福祉的就労」「生活リズムづくり」
  • 移行支援は「訓練して就職するためのステップ

B型で基礎を固め、移行支援に移って就職を目指すという流れが多いです。

B型・A型・移行支援の位置づけを整理すると…

イメージしやすいように、就労サービスを「階段」として整理すると以下のようになります。

  1. B:生活リズムを整え、作業を通じて社会参加する
  2. A:雇用契約を結び、最低賃金で働く
  3. 就労移行支援:一般就労に必要な訓練を受ける
  4. 一般就労:企業で雇用契約を結んで働く

もちろん、すべての人がこの階段を順番に進むわけではなく、B型に長期的に通い続ける人もいれば、A型から直接就労に進む人もいます

B型から一般就労を目指すためのステップ

では、具体的にB型から一般就労を目指すにはどのような流れが現実的でしょうか。

  1. B型で生活習慣を安定させる
  2. 作業を通じて基礎スキルを身につける(集中力、報告・連絡・相談)
  3. 支援員と相談し、就労移行支援を検討する
  4. 移行支援で職場実習や就職活動を行う
  5. 一般就労に挑戦し、定着支援を受ける

この流れを支援員や家族と一緒に描いていくことが重要です。

企業から見た「B型・A型・移行支援」の違い

企業が関わる視点で整理すると、以下のようになります。

  • B:業務委託(シール貼り、清掃、食品加工など)
  • A:雇用契約(障害者雇用率の算定対象になる場合もある)
  • 就労移行支援:職場実習の受け入れ、採用のきっかけづくり

つまり、企業はB型事業所と協働することで CSRや地域貢献 を実現しつつ、A型や移行支援を通じて 採用や雇用の拡大 にもつなげることができます。

まとめ

  • B型事業所から一般就労は可能だが、基本的には「就労移行支援」を経由するのが現実的
  • B型=福祉的就労、A型=雇用、移行=就職訓練 という位置づけを理解しておくことが大切
  • 利用者にとっては「今の体調や希望に合ったサービスを選ぶこと」が最優先
  • 企業にとっても、B型・A型・移行支援の違いを理解することで、より適切な協力や雇用の可能性を広げられる

就労の形は一人ひとり異なります。
「B型に長く通う」ことも、「移行支援に挑戦する」ことも、どちらも正しい選択肢です。重要なのは、その人の希望や状況に合ったサポートを選ぶことです。